• 日本障害者歯科学会学術大会:口腔保健センター活動・紹介 期待と地域格差も指摘

2014/11/22 日本障害者歯科学会学術大会:口腔保健センター活動・紹介 期待と地域格差も指摘 By コージ歯科

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歯科医院というと皆様はどのようなイメージをお持ちでしょうか?痛くて怖いというイメージがどうしてもあると思います。虫歯や歯周病になっても歯科医院へ行かなければ、症状は悪化していくばかりとわかっていても、どうしても通えないという方もいらっしゃると思います。コージ歯科では、様々な機器を使用しできるだけ痛くなくい治療を目標にし、特に虫歯の予防や歯周病の治療には、歯科用レーザーや電動麻酔器、エアー切削装置な…

2014/11/22 日本障害者歯科学会学術大会:口腔保健センター活動・紹介 期待と地域格差も指摘

~11月15~16日、日本障害者歯科学会学術大会が仙台国際センターで開かれ、幅広いテーマで特別講演、教育講演、講演、ポスター発表が行われた。最近の社会状況を反映するように医療・介護から口演・ポスター発表数300余を数え、その関心の高さ示す大会でもあった。16日には「口腔保健センターにおける障害者歯科の現状と今後の展開」をテーマにシンポジウムが行なわれた。

2011年8月に公布・施行された歯科口腔保健法の理解普及もあり、改めて地域における地域保健が重要視されてきた。通常の歯科保健と同時に障害者に対しての現状について、沖縄県、長崎県、京都府、静岡市、仙台市の地域での口腔保健センター・歯科医師会から担当者から現状報告した。

まず、真喜屋睦子・沖縄県歯科医師会立の口腔保健医療センター担当理事は、当該センターの活動を紹介。「昭和50年に会館設立と同時に、口腔衛生センター歯科診療所を開所した。米国の施政下にあり、離島地域を抱えるという沖縄県の歴史・特徴を踏まえて様々な変遷を経て今日を迎えている」とした。さらに、平成17年には「沖縄県歯科SUN会議」を発足。福祉・施設、教育、関係者、行政、医療関係者などで構成される会議で、障害者が口腔の健康が維持できるような環境作りを目的に講演・シンポジウム・イベントなどを行ってきたが、「全身麻酔下歯科治療環境の充実、増加傾向にある接触嚥下リハビリテーションなどの中途障害者への対応、3次医療機関との連携強化、離島地域における協力医の育成などがある」と課題を呈した。

続く、長田豊・長崎県口腔保健センター診療部長は、昭和60年に設立されたセンターの歴史を紹介しながら、「開設当初から、離島を抱える独特の県として、離島・遠隔地を含めた僻地医療を含めた診療を展開。その後は、歯衛生士の増員、静脈内鎮静法、摂食・嚥下障害者への対応もするようになり、1次医療機関と3次医療機関を結ぶコーディネーターの役割を担うようになった」とした。現在は、「障害者歯科協力医や指導者の育成もあり、障害者歯科医療保健福祉の連携や発信の拠点になっている」とニーズに対応しているとした。

同様に、水野和子・京都府歯科医師会京都歯科サービスセンター長の報告。サービスセンターは昭和45年にスタートした施設だが、経年的に診療スタイルも、抑制診療、ストレスフリーに配慮、視覚支援の充実や行動療法にも力を傾注してきた。現在は約年間7000症例がある。こうした経緯の中で「行動調整方法の適切な選択が歯科受診の受け入れの改善につながり、地域の診療所を受診可能にしていると思われる」としたが、センターの場所が京都府の南1/3に位置しており、北部の府民には交通の不便さを与えている。そこで、北部センター設置に向けて準備を進めている。完成した際には、まさに京都府民に対して、新たなセンターとしての診療サービスを提供していきたい」と喫緊の課題と今後にも言及した。

また、服部清氏(歯科医師・静岡市障害者保健センター)は、平成17年に公営・公設で障害者歯科保健の推進事業の拠点という位置づけでスタート。センターの現状も次のように報告した。「歯科診療は年間延べ患者数2,000名、歯科保健活動対象者は延べ2,400名であること。地域特性は、大学病院がなく高次専門医療機関が県立こども病院のみだが、患者への対応は、総合病院の口腔外科が対応している。豪雨などの自然災害による地域歯科医療機関のバリアフリー化ができていない」とした。その上で、今後の課題として「障害者の増加、障害者と介護者の高齢化、権利保障条約批准等による社会環境の変化がある。特に、地域歯科医療機関に障害者を受け入れる環境整備は必要」とした。

最後の伊藤勢津子・仙台歯科医師会傷害者歯科診療医長(在宅訪問・休日夜間診療兼任)も、臨床現場の概要を説明した。仙台市と仙台歯科医師会による公設・公営による形態で、平成6年に設立され今年で20年。年間延べ患者数は6,070名(診療実人数1,054名)、障害別患者比率は、精神遅滞32%、自閉症20%、四肢体幹障害12%、てんかん9%、ダウン症7%、脳性麻痺4%。課題として「患者自身の高齢化や通院困難などで、症状の悪化が認められ、その対応が課題。一方で、仙台歯科医師会では、独自に障害者歯科相談医制度がある。登録会員は、患者の窓口になり相談を受けて、必要によっては、二次医療機関、さらには三次医療機関である東北大学病院に紹介するが、こうした連携体制の構築・強化を図るためにも、相談医の周知・理解が必要」と訴えていた。

シンポジウム全体を通じては、口腔保健センターでの障害者を対象にしたサービスには、人員、提供サービス、医科を含む関係団体との連携など相違・格差が歴然としていることは事実。地区に歯科大学がある地域などは、広く歯科医師会との連携を含め十分な対応が構築されている。一方で、歴史が浅いセンターでは、着実に充実が図られているものの、決して十分に対応できているとは言い難く、今後の課題として残されている。障害者を対象にした、地域歯科診療所スタッフの問題意識も課題であり、地域的事情を踏まえた中で、改善していくことが急務で、医科歯科連携、地域包括化ケアなどの政策が出されることを背景に、関係団体からの評価・信頼にも影響が出る懸念もありそうだ。地域よって受けるサービスの範囲・質が異なることがあれば、社会的には大きな問題視されるのは間違いない。

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